山口地方裁判所 昭和55年(わ)37号 決定
本籍
山口県岩国市南岩国町二丁目二一五番地
住居
同県同市門前町二丁目三三番一号
木造建築業
市岡霜男
昭和五年一二月二一日生
主文
本件公訴を棄却する。
理由
本件公訴事実の要旨は、
被告人は、山口県岩国市門前町二丁目三三番一号において、市岡工務店という名称で木造建築業を営んでいるものであるが、所得税を免れようと企て
第一 昭和五一年中における総所得金額は六、九一四万二、九八七円で、これに対する所得税額は三、七四二万五、六〇〇円であるのにかかわらず、工事収入金の一部を除外し、未成工事の工事原価となるべき材料費の一部を完成工事の工事原価に計上する等の行為により所得を秘匿したうえ、昭和五二年三月一五日同市麻里布町六丁目一四番二五号所在岩国税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は一、三八五万五、三七六円で、これに対する所得税額は三七六万五、九〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税三、三六五万九、七〇〇円を免れ
第二 昭和五二年中における総所得金額は四、六六八万二、五七三円で、これに対する所得税額は二、二三三万八、六〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿したうえ、昭和五三年三月一三日、前記岩国税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は一、二九四万八、九四九円で、これに対する所得税額は三二五万五、九〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税一、九〇八万二、七〇〇円を免れ
第三 昭和五三年中における総所得金額は三、七八〇万二、四一六円で、これに対する所得税額は一、六七二万五、一〇〇円であるのにかかわらず、前同様の行為により所得を秘匿したうえ、昭和五四年三月一四日、前記岩国税務署において、同税務署長に対し、総所得金額は、一、一七五万三、〇四五円でこれに対する所得税額は二七九万四、五〇〇円である旨の虚偽の確定申告書を提出し、もって不正の行為により所得税一、三九三万〇、六〇〇円を免れ
たものである。
というのであるが、山口県岩国市長河上武雄作成の戸籍謄本によると被告人は昭和五五年三月二四日岩国市で死亡したことが明らかであるから刑事訴訟法三三九条一項四号により本件公訴を棄却する。
(裁判官 小田泰機)